
ドラムソロを取る時に、基本的にはテーマのメロディーを頭の中に思い描く事で、曲の構成や進行状態を把握て、そこにマッチしたフレーズを作って演奏する事に成ると思います。
4バースをやる時だと、4小節の間ドラムさんが何か叩くわけですが、練習してきたフレーズを4小節分叩くというより、その場で全体の進行状況を考慮しながらメロディーを作るようにドラムのフレーズを叩き出すわけです。
他の楽器の場合コード進行に合わせてアドリブフレーズをその場で作って演奏する訳ですが、ドラムの場合もそれと同じようなことをやっている訳ですね。
ただ、ドラムの場合はコードの概念は無いので、結果的なよりどころはテーマのメロディーに成る訳です。
これが、歌うように叩くという事に繋がってきます。
これは、ドラムのコーラスソロの場合も同じです。
コーラスソロの場合も、8小節×4回で32小節として1コーラス分を叩くという事ではなく、テーマのメロディーを頭に思い描くことによってコーラスの進行を認識したうえで、必要に応じて数コーラスのドラムソロを作り上げるわけです。
ドラムが暫くソロを取っている状況で、突然他のメンバーとぴったり一緒にテーマに戻ったりすると、聞いている人からしたら何でみんな一緒にテーマに戻ったんだろう?奇跡みたいだと感じられる瞬間に成るかもしれません。
但し、通常はドラムソロをしている場合に、他のパートの人もドラムのフレーズを聞きながら曲の進行状況を理解しています。
だから、数コーラスのソロを取った後でもビシッとテーマに戻ることが出来るわけですね。
とはいえ、ドラムの場合は音程やコードの概念が無いため、場合によっては曲の中のどの部分を演奏しているか見失うことが有ります。
これは、他のメンバーだけではなく、ドラムを叩いている本人が見失うことも有る訳です。
なるべくこういう事故は起きないに越したことはないですが、初級者中級者の場合には頻繁に見失う事に成るでしょう。
少し話は変わって、ドラムのフレーズの中でもトリッキーなフレーズと言うものが存在します。
単純なものでは、4拍子の曲の中で、1拍半や3拍のフレーズを使いながら小節を跨いでいくフレーズが有りますし、通常よく演奏されるフレーズを数拍ずらして演奏したりすることによって、演奏位置を錯覚させるようなフレーズです。
比較的上級者がやるような内容ですし、わざとらしく多用すると、全体的な歌の流れが壊れて不自然に成ったりするので、使用するときは注意が必要です。
とはいえ、共演者もしっかり理解している状況で使用すると、見ている人はトリックに引っ掛かるけど、共演者は引っ掛からない状態に成り、見ている人からすると、なんでこの人たちはズレないんだろうか的な驚きを演出することが出来ます。
トリック系のフレーズについては、慣れていない場合に最初にトリックに引っ掛かるのは、トリックを仕掛けた本人だったりするので、トリックプレイに行こうとして毎回自爆して音楽的にぶち壊しにしてしまうような人もたまに居ますね。
もう一つの側面として・・・
種を知っているマジックを何回も見る時、それはマジックでもなんでもなくなります。
裏でこうやってるから、当然の結果に見えるわけですね。
トリックプレイについても、似たような側面が有ります。
ドラマーが出すトリックフレーズが、ドラマーの中ではトリックの位置づけではなくトリックを含んだ歌の一部という解釈の中で演奏される場合が有ります。
しかし、ドラマーにとっては、自然な歌に成ってしまっているトリックフレーズも共演者から見たら普通のトリックに他ならないため、トリックに対する対応を理解していない場合引っ掛かってしまって、事故が起きたりします。
4バースの戻りタイミングでずれたりするケースですね。
ドラマー側としても、共演者の力量を見ながら、どの程度ヤヤコシイフレーズを出しても大丈夫か判断しながら演奏するわけですが、自然な歌の一部に取り込まれてしまっているトリックフレーズは、トリック系を除外しようと意識していても無意識に出てしまったりします。
こういう場合、ドラマーとしては、「やっちゃった」と思いながら共演者が引っ掛からないことを祈る訳です。
ということで、今回は、こんなことを考えながらドラマーはソロを取ってるんだよと言うお話でした。
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