
ドラムで演奏するときにボサノバとサンバの中間のスピードってとても難しいについて
今回のお話は、ドラムが得意なテンポと苦手とするテンポについてのお話です。
ラテン系のリズムのうちボサノバとサンバが有ります。
本来のラテン系のリズムの解釈はとても細かくかつ明確に分類されているんですが、ここでは一般的にジャズの演奏をするときに出てくるリズムとしてのボサノバとサンバに関してのお話です。
ここで言うボサノバってどんな奴というと、テンポ110位のイパネマやる時のイメージですね。
Astrud Gilberto and Stan Getz – The Girl From Ipanema (1964) LIVE
そして、サンバというとテンポが260位のSamba De Orfeuって感じですかね
Richie Cole – Samba De Orfeu
ドラムのテクニック的な難易度で言うと、ボサノバは比較的簡単な部類に入ります。
足の動きに限定して見てみると、右足のバスドラを踏むタイミングはいわゆるロックの8ビートに似た動きをします。
ここに、左足でハイハットを踏む作業が加わって、言葉で言えばこんな感じの足の動きに成ります。
|ドン、チドドン、チド|ドン、チドドン、チド|
ドンがバスドラで、チがハイハットを踏んで音を出す部分ですね。

セッションに参加しているドラマーでもこの程度は誰でも出来るんじゃない的なスキルレベルと考えてよいと思います。
(あくまでも表面的なテクニックに関する話です)
サンバに成っても足の動きは基本的に変わりませんが、スピードが単純に倍以上になるため、バスドラのダブルストロークテクニック(1回のアクションで2回踏む)が必要になります。
ドドンの部分で素早く2回バスドラを踏む必要が出てくるんですね。
いわゆるサンバ足という奴ですが、これが踏めるようになるには結構高い壁が有ります。
よって、セッションに参加しているドラマーでサンバ足が正しく踏めない人は沢山いると思います。
出来ないものは仕方ないので、2回踏むのをあきらめて、一回だけ踏む形に変えたり場合によってはバスドラ踏むのはやめるという作戦を取る場合も有ります。
260でサンバ足が踏めたら、そこそこやるなと思って貰っても良いかもしれませんね。
と、長い前置きはこれくらいにして・・・
ゆっくりしたボサノバと早いサンバの中間位の速さの曲が有ります。
少し早めのボサノバって感じで185位のOne Note Sambaって感じですね。
Stacey Kent – One Note Samba (Live at Lisbon)
この手の少し早めの心地よいテンポが有りますよね。
ドラム以外の楽器の人には、演奏しやすいテンポの部類に入るかもしれません。
さて、ドラムの場合どうかと言えば・・・
当然のことながら、ボサノバより難しいけどサンバよりは簡単と思うかもしれませんが、実はサンバよりこのテンポの早めのボサノバの方が難易度は高いのです。
サンバで使うバスドラのダブルストロークのテクニックをそのまま使うわけにも行かず、ボサノバのように正味で踏むには早すぎるという状況に成ります。
さて、結局何が言いたいかというと・・・
セッションで演奏するときに、一緒に演奏する事に成ったドラマーの技量に見合った選曲をするときに、この辺りの難易度を参考にして選曲する事をお勧めしますという事です。
上級者は当然できますが、初級者中級者の場合出来ないものは出来ないので、その結果リズムがガタガタになって演奏どころじゃないという悲劇が巻き起こるリスクが有ります。
この人なら行けそうとか、この人では無理っぽいなとかですね。
では、ドラマーの立場から見た場合、このテンポに対してはどのようなアプローチをすればよいでしょう?
それは、難しいと思うけど、ダブルでは無くて、正味で踏むつもりで演奏する練習を行うことです。
この辺りのスピードの境界でも正しく演奏するのは難しいですが、練習すれば必ず出来るようになります。
そのつもりで、ドラムの練習を頑張りましょう!
Views: 1