
ボーカルやってるんですけど、バックのメンバーと意思疎通が上手く行かないんです問題について
これ、初心者のボーカリストの場合に非常によく発生する現象だと思います。
さて、セッションとかで自分が歌う時に成りました。
当然、自分で譜面なんか書けないので、どっかから拾ってきた譜面や誰かに書いてもらった譜面をバックのメンバーに渡します。
自分で譜面書いたとしても、検証が充分できていないので、間違いがいっぱい有ったりしますが、「この譜面間違ってない?」って言われないかとビクビクしながら渡すわけですね。
イントロを出してくれるであろうピアニストから、「どんな感じで?」って聞かれたりしますが、訳が分かって無いので「普通にお願いします」とかトンチンカンな答えを適当に伝えてから、どんなイントロが出るんだろうと、内心ビクビクしながら待ってます。
とりあえず、全てを察してくれたピアノさんが分かりやすい一般的なスタイルのイントロ出して貰くれてテーマが無事にスタート出来たら、最初の難関を突破ですね。
そうです。
歌には少し自信があるので、カラオケとかではしっかり歌えるんです。
だから、滑り出しさえミスらなければ、他人を感動させる歌声が出せると思ってたりします。
テーマを歌い終わると、サックスとかピアノがアドリブ演奏を始めます。
さて、この時点で初心者ボーカルに迫る次の難関がやってきます。
それは、、、
いま何処やってるのか、さっぱり分からない問題です。
とは言いながら、この時点ではバックメンバーに勝手にやって貰えばいいので、ボーカルはある意味お休み状態で、この問題は表面化しない状態で演奏は進行していきます。
仮にいま何処やってるか分からなくても、表面上は演奏内容を理解しているような振りをして見てればいいのです。
奇抜なフレーズが出た瞬間に、「ワォ~」的な表情を作って居れば、見てる人には分かってるように見えます。
こうして、楽しい時間は過ぎ去って、次の難関がやってきます。
それは、、、
最後のテーマを歌わなきゃならないんだけど、いつ入ったら良いか分からない問題です。
そもそも、いま何処やってるのか分からない状態で進行しているので、どこで歌いだせばいいのかなんか分かるはずは有りません。
こころの中では、悲しい叫び声を上げています。
「誰か、サン、ハイ!って言って!」
その間も曲は進行して行って、自分が歌いだすポイントが来ているような恐怖に襲われます。
そこで、勇気のある人の取る行動は、、、
突然歌いだす!
ですね。
もう、分からないけど、この辺で歌いだしちゃえ!
という事で、急に歌いだします。
はい。ここで大事故発生ですね。
この場合、バックのミュージシャンが間違いに気が付いて瞬時に合わせてくれるケースも有りますが、「そこじゃない!」と止められるケースの方が多いでしょうね。
この時点で、今まで分かったような顔して「ワォ!」とか言ってたのが実は全く分かっていなかったと言うのがお客さんに晒される事に成ります。
こういう場合、初心者ボーカリストはパニック状態に成ってますから、早く抜け出したくて別の間違ったタイミングで再度歌いだして「そこじゃない!」を何回も食らう二次災害に巻き込まれるケースも有ります。
さて、もがき苦しみながら、何とか最後のテーマが滑り出しました。
唄が始まりさえすれば、こっちのもんよと言う事で、自慢の歌を披露します。
そこで、最後の難関がやって来るのです。
それは、、、
どうやって終わったらいいか分からないエンディング問題ですね。
テーマを気持ちよく歌い終わろうとするときに初めて終わり方を考えて無かったことに気が付いて焦りは最高潮に達します。
また、自分の中ではこうやって終わりたいとか朧げに思っているものの、バックのメンバーはそんな事判らないので、一般的なエンディングに入ります。
でも、当然のことながらバックのメンバーがどんなエンディングに持って行こうとしているかなんか分かる訳も有りません。
その瞬間に、少し先輩のボーカルの人がハンドサインの事を言っていたのをハッと思いだします。
そのハンドサインとは、ここで終わりますというタイミングで、手でグーを作って腕を突き上げるポーズをすることです。
ストレス満載でパニック状態に成っているボーカリストは、ここぞとばかりグーを突き上げて突然歌い終わります。
そう、ウルトラマンが変身するときのように(シュワッチ!)
でも、唐突にシュワッチされても無理なタイミングも有るので、適当に帳尻合わせるところまで演奏してエンディングに入る訳です。
その間、ボーカリストはシュワッチしたまま居心地の悪いエンディングを味わう事に成る訳です。
その後も、初心者ボーカリストに対する苦難は続きます。
お客さんから「あの人シロートね」という冷たい視線を浴びながら、バンドメンバーから譜面を回収します。
そこで、回収した譜面には、さっぱり意味の分からない書き込みがされていたりします。
歌い終わったボーカリストは家に帰って書き込まれている内容を見てみますが全く理解できません。
でも、多分良い事が書いてあるんだろう的な前向きさで、書き込みはそのままにして次回のライブにも書き込んで頂いた有難い譜面を持って行きます。
こうして、譜面はダメ出しの書き込みが沢山重ねられて、何が言いたいか分からない呪文のような状態に成って、受け取った共演者を恐怖に陥れる爆弾に成長していくのでした。
さて、少し大げさに書いていますが、多かれ少なかれ初心者のボーカルの場合は良く起きる事故だと思います。
ボーカルは他の楽器に比べると習得する為に最低限必要な学習量や練習量が少ないパートです。
(本当は違うけど)
でも、この手の事故を起こさないように、普通のボーカリストとして客前で歌えるようになるには、やっておかないといけない事は有ります。
Chappy Laboでは、最低限どんなことをしないといけないのかを理解して学習しスタートラインに立てる状態にする為のお手伝いをしています。
それが、ジャズボーカル スタートアップ レッスンです。
過去、いろんなワークショップ形式のイベントをやりましたが他の人と一緒にやるのは恥ずかしさも有りやむなく分かった振りして通り過ぎて、聞きたいことも聞けずに終了になりがちなので個人レッスンをお勧めします。
諸々のお悩み相談室もかねてやってますので、困っている人は気楽に申し込んでみてくださいね。
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