
ボーカルやってるんですが先日共演した人からコードが違うと譜面に書き込みされましたについて考える
セッションとかライブ出演とかで、自分が作ったリードシートを共演者に渡して歌伴をしてもらう事に成るケースが多いと思いますが、たまに、いや人によっては頻繁にリードシートに書かれているコードに対する指摘を受けるケースが有ります。
このような経験を重ねたボーカリストの譜面は、同じ小節に対していろんな人が指摘した異なるコードが沢山書き込まれていたりします。
ボーカリストでコードに対する理解力が低い場合、何を言われてるか良く判らないので、とりあえず指摘して頂けたことは有難い事だとポジティブに捕えて、書かれたものは消さないで置いとく訳ですね。
その結果、何が起きるかというと伴奏者側から見ると、同じ場所に大量の書き込みがされた譜面を渡されて即座にそれを見ながら演奏するという状況に追い込まれるわけです。
いわゆる、読みにくい汚い譜面問題ですね。
こういう譜面を渡された時に、伴奏を担当する人はこう思います。
「なんじゃこりゃ?何がして欲しいんかさっぱり分からん」
でも、既にステージの上で演奏開始しなきゃならない段階に成って、これって何なのと確認する時間も無ければ、聞いたところで、この手の譜面を出してくる人が的確に答えてくれるとは考えにくいので、最善の策を尽くします的な危機管理対策ポリシーで演奏に臨むわけです。
すると、当然と言えば当然ですが、演奏にミスが混入したりメンバー間で違うコードで不況和音が発生したりという細かい事故が頻発します。
場合によっては伴奏できずに止まってしまうという大災害に繋がる可能性もゼロでは有りません。
で、最終的にどうなるかと言えば、自分の渡した読みにくい譜面のせいで伴奏がギクシャクした結果、自分が歌いにくくなるというブーメラン効果が発揮されるわけですね。
自業自得と言えばそれまでですが、最後に恥ずかしかったり悔しかったりするのは、ステージで晒しものにされたボーカリストです。
さて、こういう事件が起きないようにするには、どうすれば良かったんだろうという点について、私の考えを書きますと・・・
楽譜の書き方や、コードについて伴奏者が指摘するときの内容は、意味合い的にはこんな感じだと思います。
・明らかに間違ってるから直した方が良い
・これでも絶対ダメって事は無いけど、普通はこっちのコードを使うケースが多い。
・悪くないんだけど、こっちのコードの方が個人的には好みなんだよね。良いと思わない?
そんなにジックリ説明する時間も無いので、ざっくりコードだけメモ書きして譜面を返したりするわけです。
明らかに間違ってるのは、シャープやフラットが漏れているとか、そもそも転記ミスしてるとかのケースなので、ある意味当然の指摘です。
その他の指摘は、どちらかというと改善提案的な指摘ですね。
ボーカリストの立場からすれば、こういう指摘をしてもらう事は有難い事だと思います。
指摘される側から考えると、場合によってはケチ付けやがってメンドクサイやつだ的に思ったりもするかもしれませんが、ポジティブに捕えると自分が成長するチャンスを貰ってる状態だと思います。
それも、無料で。
問題なのは、指摘された内容をしっかり検証もせずにそのままにしているボーカリスト側ですね。
指摘された内容については、指摘自体が正しいのかどうかも含んで自分でちゃんと確認して自分の譜面を書きなおすという作業をする必要があったのに、これをしてなかった事が問題だと思います。
指摘された内容が、どんな意味だったのか検証するには楽器のスキルが必要なので自分には無理だと思われるかもしれませんが、今どきは楽器のスキルが無くてもコードが正しいかどうか聞いて判断する方法はいろいろあります。
指摘されたコードの響きを確認したうえで、間違っていると思ったら直すことが必要です。
さて、その先にある改善提案的な指摘についてはどうすれば良いでしょう?
これについても、間違っている時と同様にコードの響きを確認してから判断する必要が有ります。
判断と言うのは、提案して貰ったコードで伴奏して欲しいかどうか実際にコードの響きを聞いてみて、なんなら歌ってみて採用するかどうかを決めるという作業を自分がするという事です。
確認した結果、指摘されたコードの方が良いと思ったら自分の譜面のコードを書きなおすし、やっぱり今までの方が良いと思ったら、直さないという対応をすればよいのです。
でも、指摘してくれた人に伴奏をお願いするときに、自分が指摘した内容が反映されていなかったら、気分を害するんじゃないだろうかと思う人も居るでしょう。
その時には、
「指摘して頂いてありがとうございました。でも、私的には今までのコードの方がしっくりいくと感じたので、そのままにしています」
というような説明をすればよいのです。
重要なのは、確認した上で検討して最終的に自分が選択した結果が譜面に反映されているという事ですね。
中には、自分が指摘した内容が反映されていないと機嫌が悪くなる人も居るかもしれませんが、その場合は、そういう人なんだと諦めて、その人にどうしても伴奏して欲しい時用の譜面を別に作っておくことだと思います。(これは政治的な理由による対策ですね)
さて、書かれていることは分かるけど、私はコードの意味知らないし、どうやって響きを確認したら良いかもわからないから出来ませんという人も居ると思います。
そんなあなたがコードの内容の理解や楽器演奏スキルが無くても響きを確認して判断が出来るようになる為にChappyLaboがガイドします。
やってみようかなと思ったら、ジャズボーカルスタートアップレッスンの受講をご検討ください。
過去、いろんなワークショップ形式のイベントをやりましたが他の人と一緒にやるのは恥ずかしさも有りやむなく分かった振りして通り過ぎて、聞きたいことも聞けずに終了になりがちなので個人レッスンをお勧めします。
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